
【産後のひざ痛】治らない・レントゲンで異常なしの方へ|整体師がたどり着いた答え

産後のひざ痛
産後のひざ痛が治らない。
レントゲンで異常なし。
それでも痛い方へ
見落とされやすいのは、ひざ裏の奥にある「膝窩筋(しっかきん)」です。
こんな状態ではありませんか?
- 「産後から、膝の裏が痛い」
- 「曲げると痛い。しゃがむと痛い」
- 「抱っこで立ち上がる時に、膝に響く」
- 「整形外科でレントゲンを撮ったら、異常なしと言われた」
湿布をもらって様子を見た。それでも、なかなか治らない。
このページは、その方のための話です。
結論
産後のひざ痛が、湿布や整形外科で変わらないとき。私の臨床では、ひざ裏の奥にある膝窩筋に負担が積もっていることがほとんどです。レントゲンに写らないので、触って探します。
- 原因の中心は、年齢ではなく育児のオーバーワーク
- 膝窩筋は小さく深い筋肉。画像には写らず、表面をほぐしても届きにくい
- 触診で負担の芯(トリガーポイント)を探して、直接手当てする
産後のひざ痛は、あまり表に出てこない悩みです。でも実際には、とても多い。私の臨床の実感では、産後ケアに来られる方のおよそ2割が、ひざの痛みを訴えます。
「異常なし」と言われると、かえって不安になります。異常がないのに痛いなら、もう治らないのでは——と。
でも、異常なしは「治らない」という意味ではありません。画像に写らない場所に、負担が残っていることがある、という意味です。
(ひざ痛は、産後骨盤矯正の総合ページで扱っている、産後に多い不調の一つです。)
レントゲンで異常なしでも、ひざの痛みは残る
レントゲンやMRIは、骨や軟骨、関節の状態を確かめるための検査です。重い病気やケガがないかを確かめる、大切な検査です。
ただ、筋肉の疲労や、小さな負担の積み重ねは、画像には写りにくい。
骨には、異常がない。
でも、筋肉には、負担が残っている。
そういうことが起こります。検査が間違っているのではありません。見ている場所が違うのです。
整体師がたどり着いた答えは、ひざ裏の膝窩筋
私の臨床では、産後のひざ痛のほとんどで、ひざ裏の膝窩筋に負担が積もっています。
20年、産後のひざを触ってきました。お皿のまわりが痛いと言う方も、ひざの横が痛いと言う方も、触ると、ひざの裏の奥に、強い圧痛が見つかることがよくあります。
痛みを感じる場所と、原因のある場所は、違うことがある。だから、痛むところに湿布を貼っても変わらない——私はそう見てきました。
膝窩筋は、見落とされやすい筋肉
膝窩筋は、ひざの裏のいちばん奥にある、小さな筋肉です。ひざを曲げ始めるときや、曲げたひざを安定させるときに働きます。
- 小さい
- 深い(ふくらはぎの筋肉の、さらに奥)
- レントゲンには写らない
だから、表面を広くほぐしても届きにくい。触って探さないと、見つからない。

膝の裏が痛い・曲げると痛い・しゃがむと痛いときは、膝窩筋を見る
膝窩筋に負担が積もると、こんなサインが出やすくなります。
- 膝の裏が痛い
- ひざを曲げると痛い、曲げ伸ばしがつらい
- しゃがむと、ひざの奥が痛い
- 抱っこで中腰になると、ひざ裏が張る
膝の裏には血管や神経も通っています。痛いからといって、自己流で強く揉むのはおすすめしません。私は触診で位置を確かめてから、膝窩筋に手当てします。
立ち上がる時・階段で痛いときは、お皿の下も見る
もう一か所、よく負担が見つかるのが、お皿の下の膝蓋靱帯(しつがいじんたい)です。
- 立ち上がる時に、お皿の下に響く
- 階段の上り下りでつらい
立ち上がりは、ゆるんだひざに、自分の体重と赤ちゃんの重さが一気にかかる動作です。痛む場面は、原因の場所を教えてくれる手がかりになります。
ひざ裏の膝窩筋と、お皿の下の膝蓋靱帯。この2か所という整理は、医学上の分類ではなく、私の臨床上の整理です。
原因は年齢ではなく、育児のオーバーワーク
原因の中心は、出産そのものより、そのあとに始まる育児動作の積み重ねです。
- 抱っこしたままの立ち上がり
- 床にしゃがむ、立つ
- 階段の上り下り
- 前かがみの授乳やおむつ替え
これが毎日、休みなく続きます。
加えて、妊娠・産後は、関節や靱帯がゆるみやすい時期です。手足の関節のゆるみが妊娠中に増すことは、研究でも報告されています(*1)。ゆるんだ関節を、落ちた筋力で、毎日酷使する。膝窩筋は、ゆるんだひざを支えるために、休む暇なく働き続けます。
(産後のゆるみとリラキシンについては、リラキシンは産後いつまで?で詳しく整理しています。)
「高齢者のひざ痛」とは、原因が違う
高齢の方のひざ痛は、軟骨のすり減り(変形性膝関節症など)や筋力低下といった、加齢による変化が中心です。コンドロイチンやグルコサミンのサプリメント、筋トレ中心のリハビリも、この加齢の変化を前提にしたものです。
産後のひざ痛は、原因が別ものです。だから、同じ対処をしても、楽にならないことが多い——私はそう考えています。
湿布やストレッチで変わらないのは、膝窩筋に届かないから
筋肉の疲労や軽い痛みの多くは、本来、休ませれば自然に回復していくものです。
それでも痛いなら、回復を邪魔しているものがある。産後のひざの場合、それが育児です。ひざを休ませる暇がない。回復が追いつかない。常に筋肉痛が続いているような状態です。だから触診すると、かなり強く痛みを訴えられます。
湿布は表面に貼るもの。ストレッチは、ひざ裏の奥の膝窩筋をうまく伸ばせません。電気やリハビリも、どれも悪いものではありません。ただ、膝窩筋そのものに手が届かない対応では、結局、子どもが大きくなって抱っこが減るのを待つのと、大差ない——20年の臨床で、私はそう見てきました。
よく「時間が経てば自然に治る」と言われます。それは、子どもの成長とともに負担が軽くなるからだと、私は見ています。治ったというより、オーバーワークが終わっただけ。だから、育児が続いている間は、待っても変わりにくいのです。
産後のひざ痛は、両膝に出やすい
一般的なひざ痛は、片側だけに出ることが多いものです。でも産後のひざ痛は、両方の膝が同時に痛む方が多い。
妊娠・産後のゆるみは、左右の関節に同じように起こります。その状態で、しゃがむ・立つ・抱っこを、左右の脚で同じように繰り返す。だから、左右の膝窩筋に、同じように負担が積もる。
「片方だけでなく、両膝が痛い」のは、産後のひざ痛らしい特徴だと、私は見ています。
膝窩筋のトリガーポイントを、手で探して手当てする
私が行うのは、膝窩筋のトリガーポイント(負担の芯)を触診で見極めて、直接手当てすることです。
トリガーポイントは、医学の中でも研究されてきた概念です(*2)。ただ、画像には写らない。だから、手で触れて、圧痛の一点を探すしかありません。
レントゲンは、骨を見る。
私の手は、筋肉を探す。
痛みの震源になっている一点を見つけて、回復が追いつく状態へ戻していく。膝窩筋は本来、休ませれば自分で回復する筋肉です。育児が、その暇を与えないだけです。
私の臨床では、数回の施術で「気にならなくなった」と話される方が多い症状です(※結果には個人差があります)。あわせて、ひざに負担をかけにくい抱っこ・立ち上がりの動作もお伝えします。
(産後に限らないひざ痛については、自由が丘のひざ痛整体で詳しく書いています。)
先に医療機関で確かめてほしいサイン
次のようなときは、まず整形外科やリウマチ科で確認してください。
- ひざが腫れている、熱をもっている
- じっとしていても痛む、夜も痛む
- 朝、関節がこわばる
- 熱がある
- 転んだ・ひねったなど、ケガのあとから痛い
- ひざ裏からふくらはぎが、急に腫れて痛くなった
産後のホルモン変化のあとに、リウマチなどが見つかることも、まれにあります。ただ、私の20年の臨床で、産後のひざ痛でリウマチの方をお見かけしたことは、ほとんどありません。多くは、育児のオーバーワークによる負担です。
とはいえ、上のサインが一つでもあるなら、確認が先です。当院の施術は、医療と並行して受けていただけます。
産後のひざ痛 よくある質問
Q. 産後のひざ痛は、いつまで続きますか?
一般には「産後6ヶ月〜1年ほどで、自然に落ち着くことが多い」と言われます。ただ、私のところに来られるのは、その期間を過ぎても引かなかった方なので、「いつまで」とは言えない、というのが実感です。整形外科と接骨院に3年通い続けた方もいました。自然に落ち着くのは、子どもの成長で抱っこが減るからだと、私は見ています。時間を待つより、負担の積もった場所を回復に向かわせる。私はそこを見ています。
Q. レントゲンで異常なしと言われましたが、膝の裏が痛いままです。
骨や軟骨に、大きな問題は見つからなかった、ということです。それ自体は安心していい結果です。ただ、膝窩筋のトリガーポイントのような筋肉の小さな負担は、レントゲンには写らず、MRIでも捉えにくいものです。「異常なし」でも痛いときは、筋肉を手で確かめてみる価値があります。
Q. 曲げると痛いのと、立ち上がる時に痛いのは、違うのですか?
私の臨床では、曲げ伸ばしでつらいのはひざ裏の膝窩筋、立ち上がりや階段で響くのはお皿の下の膝蓋靱帯に、負担が積もっていることが多いです。
Q. 湿布は効きますか?
痛みを和らげる助けにはなります。ただ、膝窩筋はひざの奥にあるので、表面に貼った湿布は届きにくい。痛む場所と原因の場所が違うことも多いので、貼っても変わらないことがあります。
Q. サポーターはしたほうがいいですか?
抱っこや階段がつらい時期に、一時的に支えとして使うのは良いと思います。ただ、サポーターは負担を減らすもので、すでに積もった負担を取るものではありません。
Q. 膝の裏を自分で揉んでもいいですか?
おすすめしません。膝の裏には血管や神経が通っていて、膝窩筋はさらにその奥にあります。強く揉んでも届きにくく、別の場所を傷めることもあります。
Q. スクワットや筋トレ、ストレッチはしたほうがいい?
痛みがある間は、おすすめしていません。産後のひざ痛は、使いすぎ(オーバーワーク)で荒れている状態です。そこに必要なのは、まず休息と回復です。ひざ裏の膝窩筋は、ストレッチでは伸ばしにくい場所でもあります。筋力づくりは、痛みが引いてから。再発を防ぐのは、その段階の仕事です。
Q. 骨盤矯正で、ひざ痛は変わりますか?
今あるひざの痛みは、骨盤より、ひざそのもの——膝窩筋に原因があることが多いと、私は見ています。だから、まず膝窩筋に向き合います。骨盤を整えることは、そのあとの、体全体を立て直す仕事です。順番が違うだけで、どちらも大切です。
Q. サプリメント(コンドロイチン等)は効きますか?
産後のひざ痛には、あまり期待していません。これらは加齢によるひざ痛を前提にした考え方が多く、原因が異なると考えているからです。
Q. 両膝が痛いのですが、両方とも診てもらえますか?
はい。産後のひざ痛は、両膝に出る方がとても多いです。両方に向き合います。
Q. 何年も通っていますが、それでも変わりますか?
私は、病院や接骨院とは違う場所を見ています。長く通っても変化がなかった方でも、見る場所が変われば、変化が出る可能性はあると考えています。
症例 ― 3年通っても引かなかった産後のひざ痛
※結果には個人差があります。同じ施術で同じ変化が出るとは限りません。
産後にひざを痛め、整形外科と接骨院に週1回、3年通い続けても引かなかった方がいました。テーピングと湿布を続け、動きにくさから体重も増え、痛みが強くなる悪循環でした。
その方は「骨盤矯正をすれば変わるかも」という思いで来院されました。私はひざ裏のトリガーポイントを見極めて施術しました。早い段階で「痛みが軽くなった」と感じられ、5回ほどの施術で、痛みが気にならなくなったと話されるように。今では山登りを楽しまれています。
この方は変化が早すぎて、私自身が驚いたほどです。誰もがこれほど早いわけではありません。育児の最中は、再発することもあります。それでも、原因に合った場所に向き合えば、変化は出る。それが私の実感です。
「治らない」と思う前に
産後のひざ痛は、放っておいて自然に消えるとは限りません。
年のせいではない。
異常なしは、治らないという意味でもない。
画像に写らない場所に、負担が残っているだけかもしれません。
抱っこ・授乳・階段・床での育児。毎日のことだからこそ、つらい。まずは、あなたのひざのどこに負担が積もっているのか、一度、手で確かめさせてください。
参考文献
*1 Schauberger CW, et al. Peripheral joint laxity increases in pregnancy but does not correlate with serum relaxin levels. Am J Obstet Gynecol. 1996. PMID: 8623804
*2 Simons DG, Travell JG, Simons LS. Travell & Simons’ Myofascial Pain and Dysfunction: The Trigger Point Manual. Williams & Wilkins.
When stairs stop hurting
レントゲンで異常なし。それでも痛い方へ
強い痛みや腫れは、まず病院へ。異常なしと言われて、それでも痛いなら——ひざ裏の膝窩筋を、手で確かめるところから始めましょう。自由が丘 南口より徒歩1分。
お電話でも:03-3723-1321(10:00〜20:00)
このページは整体・カイロプラクティックの観点によるもので、医療行為・診断ではありません。効果には個人差があります。気になる症状が続く場合は医療機関にご相談ください。
ナチュラルカイロプラクティック院/院長 小松泰範 TEL 03-3723-1321 〒152-0035 東京都目黒区自由が丘1-8-20 自由が丘第一ビル6F

