
先ほどの表にある、手術以外の方法は、突き詰めればすべて「間接法」です。あなた自身に運動を促す。外から支える。情報を渡す。けれど、骨盤底筋そのものに直接はたらきかけてはいません。
私がするのは、手で、その最初の1回を導くことです。手術のように体を傷つけることなく、手技で骨盤底筋に直接はたらきかけ、力が入る位置に戻していく。これを当院では「骨盤底筋矯正」と呼んでいます。
2007年、想定外から生まれた手技
きっかけは、私自身の家庭でした。長男を出産した妻の後ろ姿を見て、驚きました。「こんなにもお尻は大きくなるのか」。カイロプラクターとして、アメリカの大学で教わった骨盤矯正で、すぐ戻せると考えました。ところが、まったく戻らない。一般的な骨盤矯正は、歪みを整えて姿勢や腰痛をケアするためのもので、出産で開いた骨盤のためのものではなかったのです。
そこから独自に研究を重ね、産後の骨盤のためのメソッドを開発しました。それが2007年です。そして、想定外のことが起きました。骨盤を整えた方々から「尿もれが気にならなくなった」という声を、いただくようになったのです(※個人差があります)。狙って作った手技ではありません。骨盤を正しい位置に戻した結果、骨盤底筋が働きを取り戻した——臨床が先で、理屈が後からついてきた手技です。以来、臨床の中で磨き続けています。
骨盤が戻れば尿もれが解決する、という単純な話ではありません。骨盤底筋そのものの機能を取り戻すこと——これが何より大事です。だから、ベルトやガードルで締めても解決はできないのです。


