原因不明不妊|検査で異常なしのとき、整体師が診る「骨盤や子宮のまわり」

「検査では異常なし」。それでも妊娠に至らない——病院ではこの状態を原因不明不妊(機能性不妊)と呼びます。タイミング法、人工授精、体外受精と、できることをすべてやってきた方が、当院には大勢いらっしゃいます。病院の検査が診るのは、卵巣や子宮という臓器そのものです。私が20年、診てきたのは、その臓器を取り囲む「まわり」でした。

目次

不妊検査の項目に、子宮の「まわり」はありません

不妊検査の中身を、具体的に並べてみます。

  • 血液検査——ホルモン値(FSH・LH・AMHなど)
  • 経腟超音波——子宮と卵巣の形、内膜の厚さ
  • 子宮卵管造影——卵管の通り
  • 精液検査——精子の数と運動率

どれも精密で、臓器と細胞とホルモンを診ることにかけて、病院は超一流です。

近年はさらに精密になり、着床のタイミング(着床の窓)や受精卵の染色体を調べる検査もあります。エコーで血流を測るクリニックもあります。医療は、臓器と細胞を年々細かく照らしています。

ただ、この一覧をどこまで眺めても、出てこないものがあります。臓器そのものではなく、臓器の「まわり」です。照らされているのは、いつも臓器と細胞です。

私が手で診ているのは、子宮と卵巣を取り囲む環境です。具体的には、この四つの固さ、はり、冷え。

  • 腸腰筋——子宮の真裏を通る、深部の筋肉
  • 骨盤底筋——子宮を、下から支える
  • 仙腸関節——骨盤の土台の、動きをつくる
  • 胃腸——子宮のすぐ隣を走る

どれも数値になりません。画像にも映りません。手のひらでしか読み取れない、アナログの見方です。なぜ、まわりを診るのか。子宮も卵巣も、体の中に単独で置かれているわけではないからです。隣り合うものは、温度も血流も影響し合います。

そして、二十年、数千人の体に触れてきた経験から、言えることが一つあります。たった一つの場所だけが不調で、そのまわりは全部健康——そんな体を、私は見たことがありません。固く、張って、冷たいお腹は、巡りの滞ったお腹。検査が数字と画像で臓器を一つずつ測るなら、手は質感で、そのつながり全体を読む。原因不明とされた先に残された領域は、ここだと私は考えています。

子宮は、骨盤の中に靱帯で吊られるように収まっています。骨盤は「子宮の入れ物」ではなく、命を支える土台です。そして土台の状態を決めているのは、骨そのものではなく、骨盤を取り巻く筋肉です。

筋肉には、血管のポンプとしての働きがあります。硬く縮んだ筋肉は血流を妨げる——これは妊活に限らない、体の一般的な仕組みです。骨盤まわりの筋肉が硬ければ、そのそばを通る血流も、その影響の外にはいられません。

鍵を握るのは、子宮の真裏を通る「腸腰筋」です

骨盤まわりの筋肉の中でも、私がとくに重視しているのが腸腰筋(ちょうようきん)です。背骨の内側から骨盤を通って脚へ伸びる深部の筋肉で、ちょうど子宮の真裏を通ります。

子宮と腸腰筋と熱の循環の解剖図。腸腰筋が子宮の真裏を通り、骨盤内の血流と温かさをつくる位置関係を示す
子宮の真裏を腸腰筋が通り、すぐ上を腸が走る。この位置関係が、お腹の深部の巡りと温かさをつくります

妊活に取り組む方の体に触れてきて、腸腰筋が冷えて硬い方が非常に多い——これが、数千人の身体を診てきた中での私の実感です。この筋肉が硬く冷えていく要因は、現代の生活そのものです。

  • 長く座る——デスクワークで、縮んだまま固まる
  • 冷え——お腹の深部なので、一度冷えると戻りにくい
  • ストレス——緊張が、そのまま筋肉の緊張になる

腸腰筋の冷えと不育・初期流産の関係については、別の記事で詳しく書いています。冷えの手当てそのものはこちらを。

「二人目不妊」も、同じ場所を診ます

当院には、二人目がなかなか授からないというご相談も多くあります。一人目を自然に授かった——その事実は、あなたの体に妊娠する力が備わっていることの、何よりの証明です。では、一人目のときと今とで、何が変わったのか。

あいだにあるのは、出産と育児です。

  • 出産——子宮を下から支える骨盤底筋が、大きく引き伸ばされる
  • 抱っこ・授乳——前かがみの姿勢が、腸腰筋を縮めたまま固めていく

骨盤底筋が子宮のベッドなら、腸腰筋は後ろから包む布団——出産と育児は、このベッドと布団をいちばん酷使する数年間です。そのあいだ、自分の体はどうしても後回しになる。責められることではありません。誰もがそうなります。

だから私は、二人目不妊を「原因不明」ではなく「産後の続き」として診ています。一人目の前とは、筋肉の状態が別の体になっている——手で触れると、それがはっきり分かります。産後の骨盤の手当てについては産後骨盤矯正のページに書きました。

手当ての目的は、子宮のまわりに血流と温かさを取り戻すことです

妊娠する力は、あなたの体に本来備わっているものです。私の仕事はそれを外から与えることではなく、その邪魔をしている筋肉の硬さと冷えを手当てして、子宮のまわりに血流と温かさを取り戻すことです。

当院がお約束しないこと、お約束できること

妊娠という結果を、施術がお約束することはできません。それを約束する施術者がいたら、疑ってください。

当院がお約束できるのは、体の変化です。筋肉の硬さ、冷え、呼吸の深さ——施術のたびに、どこがどう変わったかをあなた自身の感覚で確認しながら進めます。続けるかどうかを決めるのは、当院ではなく、あなたです。

あなたの体は、壊れていません。壊れていないからこそ、検査で異常が出ないのです。足りていないのは、血の巡りと温かさ——私はそう考えて、この手当てを続けてきました。

よくある質問

Q. 骨盤の歪みが不妊の原因なのですか?
A. 私は「歪みが原因」という説明をしません。歪みに見えるものの多くは、筋肉の硬さがつくった結果です。結果である歪みだけを矯正しても、つくり出した筋肉がそのままなら、体は元に戻ります。当院が手当てするのは、その手前にある筋肉です。
Q. 骨盤矯正を行うと腰痛は良くなりますか?
A. 腰痛の手当てを目的とされる場合は、妊活骨盤ケアではなくトリガーポイント整体コースをご案内しています。妊活骨盤ケアでも腰まわりの筋肉はゆるみますが、手当ての中心はあくまで子宮の環境です。目的に合ったコースを選んでいただくのが、遠回りに見えて一番の近道です。迷われたら、初回にご相談ください。
Q. 妊活の整体は、普通の整体と何が違うのですか?
A. 手当ての対象が違います。肩こりや腰痛の整体は「痛む筋肉」に向かいますが、妊活骨盤ケアは腸腰筋や骨盤底といった「子宮の環境をつくる筋肉」に向かいます。触れる場所も、確認する変化も別のものです。
Q. 検査で異常(筋腫・内膜症・ホルモン値など)が見つかっています。整体は関係ありませんか?
A. いいえ、対象です。病変の診断と治療は医療機関の領域で、当院がそこに触れることはありません。ただ、病変のまわりにも、血流と筋肉はあります。病変を診るのは病院、そのまわりの血流と冷えを手当てするのが当院——役割が違うので、並行できます。筋腫・内膜症と体の環境についてはこちらの記事に書きました。
Q. 病院の不妊治療と並行できますか?
A. できます。当院は病院の治療の代わりではなく、治療を受けるあなたの体の、血流と冷えを整える立場です。移植を控えた方の体づくりについてはこちらの記事に書きました。
Q. この筋肉は、妊娠したあとの出産にも関係しますか?
A. お産のとき大きく働くのが、まさにこのページで診てきた場所——骨盤底筋と仙腸関節です。良いお産をお約束することはできませんが、妊活で整えた体は、そのまま妊娠中から産後へ続いていきます。なお妊娠初期の施術はお勧めしていません。安定期以降は、かかりつけの産科の先生に確認のうえでご相談ください。
Q. まず自分でできることはありますか?
A. あります。温かいものを摂る、湯船につかる、歩く——どれも正しいことです。続けてください。ただ、お腹の深部にある腸腰筋の固さと冷えは、自分の手では届かず、自分の感覚では分からないことが多い場所です。「自分は冷えていない」と思っている方が、触れるといちばん冷えていることもあります。セルフケアを続けるためにも、まず今の状態を一度知っておくことをお勧めします。
自由が丘の整体 ナチュラルカイロプラクティック院の施術者

この記事を書いた人:小松 泰範(ナチュラルカイロプラクティック院 院長)

大川カイロプラクティック専門学院卒業。日本カイロプラクティック医学協会正会員。臨床歴20年、数千人の身体を診てきました。著書2冊。自由が丘駅南口すぐの当院で、妊活・産後の骨盤ケアを専門に手当てしています。


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この記事を書いた人

■ 肩書き
自由が丘の整体院  ナチュラルカイロプラクティック院 院長
整体・妊活・産後骨盤ケア専門家 / 著述家

■ プロフィール本文
2006年に東京・自由が丘で整体院を開設して以来、臨床歴20年の中で数千人を超える出産前後の女性をサポートしてきました。
「なぜ、手で触れると体が治るのか」——
この問いを20年追い続け、
メカノトランスダクションをはじめとする
現代医学の知見と手技療法の接点を
臨床と文献の両面から探求してきました。

私は、単に痛みを抑えるだけでなく、骨格構造から根本的に「体が整う環境」を作ることを使命としています。特に産後の尿もれや体型変化に対しては、独自の骨盤アプローチを確立。多くの女性に共通する「反り腰」や骨盤の歪みが、骨盤底筋の働きを著しく低下させている事実に着目し、筋トレを強いるのではなく、手技によって骨盤を正しい位置へ戻し、筋肉のロックを解くことで諸症状を改善へと導いてきました。病院や一般的な整体では解決しなかった「産後の構造的問題」を、20年の臨床経験に基づいた確かな技術でサポートいたします。

私生活では、双子を含む三児の父親でもあります。不妊治療の経験、過酷な育児、家庭での体の変化を身をもって知る「当院の当事者」としての視点も、私の治療の根幹にあります。

臨床の現場から得た「本物の一次情報」を発信し、皆様が健康で幸せな生活を送れるよう、自由が丘の地で全力でサービスを提供してまいります。

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整体は医療ではありません。
私たちは病気を診ることはしません。

私たちがしているのは、あなたの身体に触れ、
状態を見つめ、そこに潜む違和感を感じ取ること。
それは太古から連綿と続く、
人が人を癒やすための民間療法です。

病院の検査では「異常なし」とされる、
けれど自分では確かに感じる不調や違和感——
その「言葉にならない違和感」を、手技によって
一つひとつ紐解き、本来の健やかさへと繋いでいく。
それが私たちの使命です。

腰痛・尿もれ・産後ケア・妊活など、
皆さんが理解しやすい言葉を用いることもありますが、
私たちがそれらを治すと断言するものではありません。

■ 専門分野・実績
骨盤・反り腰の構造矯正(独自の産後骨盤アプローチ) ・産後トラブルの改善手技(尿もれ、骨盤底筋の機能回復) ・妊活環境づくり(自律神経・深部筋調整) ・延べ数千人の臨床実績

■ 著書 2冊

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