
不妊・妊活の食事療法|食べることより、【食べないことが大事】な理由

不妊や妊活で、「食事療法」を考えていますか?
- タンパク質
- 葉酸
- 鉄分
- 亜鉛
- オメガ3
まあ、これもいいでしょう。しかし、私は声を大にして言いたい。「良いものを食べる」では、足りない。「必要ないものは、食べない」——こちらの方が、今は大事です。
お菓子、カフェラテ、アイス、菓子パン、ジュース。加工品、コンビニ食、ファストフード。こういうものを毎日食べながら、「妊娠にいいから」とサプリメントで栄養を補給する——順番が逆だと、私には思えてならないのです。しかし今の栄養情報は、この順番を正してくれません。足す話ばかりだからです。
私は整体師として20年、妊活で立ち止まっている方のお腹に触れてきて、食生活の違いが、お腹のコンディション——冷え・張り・固さ——に現れることを知っています。
「食習慣を変える」。とても難しいことです。それでも、ぜひチャレンジしてほしい——その思いで、この記事を書いています。そして、食で体が変わるまでの間を整体で一時的にリカバリする。それが、当院の妊活骨盤矯正です。
食べることより、「食べないこと」
冒頭に挙げた栄養素の一覧は、「妊活 食事」と調べれば必ず出てくる「正解」です。地中海式食事法も勧められるでしょう。どれも専門機関が推すもので、間違いではないのでしょう。ただ、控えるものとして挙がるのは、トランス脂肪酸とアルコールくらいです。
この一覧を眺めて、気づくことが三つあります。
- ほとんどが「何を摂るか」の話だということ
- 「何が不要なのか」という視点が、あまり語られていないこと
- そして、摂った栄養を受け取る体の側の話が、ほとんどないこと
だから私の考えは、逆から始まります。そして——どれだけ良いものを入れても、それを受け取るのはあなたのお腹だということ。腸が冷えて固まっていれば、入れたものは届きません。栄養の一覧は「何を入れるか」の話です。私が20年診てきたのは、入れた先で何が起きているか——お腹の冷え、張り、固さでした。
「体に悪くない」と「増やす」は、別の話
近ごろ、小麦・植物油・乳製品・甘いものを指して「4毒」と呼ぶ言い方が広まっています。刺激の強い言葉なので、私はあまり使いたくありません。これらを名指しで「毒だ」と断じるつもりもありません。
一般には、これらの食品は「適量なら問題ない」「健康を害さない」とされています。その見解を、私は否定しません。おそらく、すぐに体を壊すようなものではないのでしょう。
ただ、一つだけ引っかかることがあります。「害さない」ことと、「妊娠する力を増やす」ことは、別の話です。害がないと言われている食品が、妊娠力を高めてくれるという話は、聞いたことがありません。害はない、としましょう。それでも、増やしてはくれない——だとしたら、毎日それを選び続ける理由は、どこにあるのでしょうか。
誤解のないように言えば、これは「証明された害」の話ではありません。むしろ逆で、影響があるともないとも、簡単には証明できない——それがこの領域の本当のところだと、私は見ています。毎日少しずつ、数ヶ月から数年かけて体に及ぶような影響は、検査の数字にはっきりとは表れません。だから科学は「問題なし」と結論しがちです。でも、数字に出ないことと、何も起きていないことは、同じではありません。
私が診るのは、お腹の「冷え・張り・固さ」
では、その「数字に出ない影響」を、私はどこで見ているのか。答えは、手のひらです。
妊活で立ち止まっている方のお腹に触れると、多くの場合、下腹部が冷たく、張って、固い。押しても跳ね返ってくる弾力がなく、張りついたような感触のことがよくあります。ホルモン様の作用を持つ食品や、腸内環境を乱しやすいものを日常的に摂っている方に、この傾向が重なりやすい——これは証明された因果ではなく、数千人のお腹を診てきた中での、私の実感です。
子宮も卵巣も、体の中に単独で置かれているわけではありません。
- 腸——子宮のすぐ隣を走る
- 腸腰筋——子宮の真裏を通る
- 骨盤底筋——子宮を、下から支える
まわりが冷えて固まれば、真ん中だけが快適に働くということは、私の経験上ありません。食が体の環境を少しずつ変えていくとしたら、それはこうして手に触れる形で現れる、と私は見ています。
見直したい、4つの食品
私が気にかけている食品を挙げます。それぞれ、なぜ気になるのか、そして体にどう現れると見ているのかを、別のページで一つずつお話ししています。
乳製品(牛乳・チーズ・ヨーグルト)
哺乳類で、卒乳後も他の動物の乳を飲み続けるのは人間だけです。ホルモン様の作用を持つ成分をどう考えるか——私が一冊の本にまでしたテーマです。
油(精製された植物油)
酸化した油と、ホルモンの材料になる「良い脂」。トランス脂肪酸は、一般の妊活指導でも「控える」とされる数少ない一致点です。何を減らし、何を残すかをお話しします。
※ 農薬・食品添加物・加工食品についても、同じ「一般には問題ないとされるが、増進するとも思えない」という視点で見ています。各ページで順次お伝えしていきます。
「やめられない」のは、意志のせいではない
お菓子、カフェラテ、アイス——やめられないのには、理由があります。
ここで、本音の話をします。みんな、妊活に「良いもの」を食べたいのです。妊娠に良いもの、赤ちゃんに良いもの——誰もがそう思う。その気持ちは、よくわかります。でも、本当に難しいのは足すことではありません。やめることです。食習慣を変えるのは、想像以上のストレスなのです。
毎日のお菓子、カフェラテ、アイス。「良くない」と知っていても、やめられない。それは、あなたの意志が弱いからではありません。私が著書であえて「毒」という仰々しい言葉を使った理由の一つが、ここにあります。問題は有害性だけではない——習慣性と、快楽性。やめようとすると、そわそわと落ち着かなくなり、無性に口寂しくなる。たばこやお酒と、同じ構造です。私はそう見ています。
だから、私のお願いは一つだけです。3日だけ、試してみてください。
- 1〜2日目——無性に欲しくなる。ここは、覚悟のいるところ
- 3日目——一番きつい日。たばこもお酒も、習慣性の高いものは3日目が山だといわれます
- 4日目から——あれだけ欲しかったものが、ふっと気にならなくなっていく
3日を越えた方は、口を揃えて言います。「やめるなんて、絶対にできないと思っていました。想像もつかなかった。でも——気にならなくなるんですね」。苦しいのは最初の3日だけ。その先に、「欲しくない」という自由があります。
では、何を食べるか——和食です
日本人には、昔ながらの和食が合っている——私はそう考えています。
減らす話ばかりでは、当然の疑問が残ります。「では、何を食べればいいのか?」——私の答えは、昔ながらの和食です。
調べると、地中海式食事法が出てきます。魚、野菜、オリーブオイル。方向として間違いだとは言いません。ただ、私は日本人に地中海式を推奨しません。
理由は、食の歴史です。地中海式が優れているのは、地中海沿岸の人々が何千年もかけて食べ継ぎ、その食で体を作ってきたから——つまり、あれは「地中海の人にとっての和食」なのです。この列島に長く住んできた私たちが、歴史上ほとんど食べてこなかったものを取り入れて体に合うと、歴史は証明していません。アマゾンの奥地に伝わる薬草が、日本人の体にそのまま合うのか——それと同じ問いです。地中海式の研究の多くは、その食を長く食べてきた人々の体で取られたものです。日本人の体で同じ結果になるかは、また別の話です。
だから——昔ながらの和食に、戻るのです。
- ご飯と、味噌汁
- 焼き魚、煮物
- 漬物などの、発酵食品
特別な食材を買い足す話ではありません。この土地で、その季節に採れるものを、昔ながらの調理で食べる——地産地消は経済の言葉として知られていますが、健康にも通じている——これは私の実感です。
もちろん、あなたやパートナーのルーツが地中海沿岸にあるなら、地中海式はその方にとっての「和食」です。基準は「どの食事法が優れているか」ではなく、あなたの体が、どの食の歴史の上にあるか。それだけのことです。
食には時間がかかる。その間、整体
ここが、いちばんお伝えしたいところです。
食事を変えるのは、正しい。でも——現実には、簡単ではありません。
- やめるのが難しい——まず「3日の壁」を越えなければならない
- 続けるのが難しい——数日ではなく、数ヶ月の話
- 実感が持てない——変化が見えず、「意味があるのか」と迷ってしまう
食による根本的な立て直しは、正しいけれど、時間のかかる道です。
その時間を、待つあいだ。冷えて固まってしまったお腹を、手で温め、ゆるめておくことはできます。整体が食毒を消すわけではありません。そういう話ではないのです。ただ、環境が悪くなって固まった体を、一時的に整えておく。体が「巡る感覚」「ゆるむ感覚」を思い出しておく。食を正す長い道のりの途中で、体を悪い状態のまま放置しないための、いわば手当てです。
根本は食で、時間をかけて。一時のリカバリは整体で、今日から。この二つは、どちらかではなく、両方あっていい。心当たりがあれば、整体という手も、選択肢の一つに入れてみてください。

妊活の三本柱——「食・骨盤・知識」
食
必要ないものは食べない。食べるなら、昔ながらの和食を。時間をかけて整えていく根本の柱。
骨盤
冷えて固まったお腹と骨盤を、手でゆるめ温める。食を待つ間の、一時のリカバリ。
知識
なぜそうなるのかを、自分で考えられること。人任せにしない、判断の土台。
この三つは、どれか一つでは足りません。食だけでは時間がかかりすぎ、骨盤だけでは根本が変わらず、知識だけでは体は動きません。三つをあわせて、はじめて「妊娠しやすい土台」に近づいていく——それが、私が20年かけてたどり着いた見方です。
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よくある質問
- Q. 結局、何を食べればいいのですか?
- A. 昔ながらの和食を勧めています。ご飯と味噌汁、焼き魚、煮物、漬物などの発酵食品。地中海式食事法を否定はしませんが、あれは地中海の人々が長い歴史の中で体に合わせてきた食です。日本人の体は、この土地の食の歴史の上にあります。特別なものを足すのではなく、戻る——それが私の答えです。
- Q. 食事を全部変えないと、妊活に意味がないですか?
- A. いいえ。全部を一度に変える必要はありません。むしろ、続かないやり方はお勧めしません。まず一つ、気になるものを一つだけ減らすところから。そして、食を変える時間がかかる間も体を放置しないために、整体で冷えと固さを手当てしておく——その両輪で考えていただくのがいいと思います。
- Q. 整体を受ければ、食事は気にしなくていいですか?
- A. それは逆です。根本は食で、整体はその間の一時的なリカバリです。整体で食の影響が消えるわけではありません。ただ、食を正す長い道のりの途中で、固まったお腹をゆるめ、体が良い状態を思い出しておくことには意味があると考えています。
- Q. 「4毒」は体に悪いと断言できるのですか?
- A. 私は断言しません。一般には「問題ない」とされていますし、その見解を否定する証拠も持っていません。私が言えるのは、「害はないとしても、妊娠力を増やすとは思えない」ということ、そしてこうした食品を日常的に摂る方のお腹に、冷えや固さが重なりやすいという、手で触れてきた実感だけです。
私が「食」から妊活を考えるようになった理由
私が自由が丘で整体院を開いたのは、長男の妊娠がわかった年でした。妻はそれ以前、大きな子宮筋腫が3つあり、24歳で「子どもはあきらめなさい」と医師に言われていました。
当時の私は整体師ですらなく、ただ健康だけは気にする人間で、山の水を汲み、食事を見直す暮らしをしていました。そんなある日、妻の筋腫が——検査で診ると、跡形もなく消えていたのです。
もちろん、食や暮らしが筋腫を消したのだと、証明することはできません。それを言うつもりもありません。ただ、この経験が、食と体の関係を考え始めるきっかけになったことは確かです。あれから20年。不妊治療は一般的になりましたが、私は「筋腫が自然に消えた」という話を、医療の現場から一度も聞いたことがありません。処方されるのは薬か手術、つまり対処療法です。その手前に、もっとやれることがあるのではないか——この問いが、私の出発点になりました。
この考え方を、本にまとめました
ここでお話ししたことは、拙著『妊娠の敵は、”7つの食毒”』でより深く書いています。本の中では、あえて「食毒」という強い言葉を使いました。一度で害になる毒ではなく、毎日少しずつ、数年がかりで体に効いてくるもの——「長期毒」という時間の視点を伝えるためです。なぜ「まず、やめること」なのか、それぞれの食品を体がどう受け取るのか、私自身の経験を交えてまとめました。
乳製品については、一冊まるごと向き合った『牛乳はホルモン剤だった』もあります。強いタイトルですが、中身は「怪しい整体師からの問い」と自分を茶化すところから始まる、静かな本です。
