
本物の産後骨盤矯正とは何か ──なぜ「歪みを整えるだけ」では産前に戻らないのか
本物の産後骨盤矯正とは何か
──なぜ「歪みを整えるだけ」では産前に戻らないのか
産後骨盤矯正という言葉は、いまや多くの整体院やサロンで使われています。
しかしその一方で、
- 通っているのに体型が戻らない
- 尿もれや骨盤のゆるみが改善しない
- 「骨盤は戻った」と言われたのに不信感が残る
こうした声が後を絶ちません。
なぜ同じ「産後骨盤矯正」を受けているのに、結果にここまで差が出るのでしょうか。
その答えは施術の上手さや相性ではなく、
そもそも「何を産後骨盤矯正と定義しているか」の違いにあります。
このページでは、当院が考える
「本物の産後骨盤矯正」の定義と判断基準を、
感情論ではなく構造の視点から整理します。
産後骨盤矯正には「本物」と「偽物」がある
強い言い方に聞こえるかもしれませんが、これは他を否定するための表現ではありません。
問題は、「産後骨盤矯正」という言葉が
あまりにも広く、曖昧に使われていることです。
一般的な骨盤矯正も、産後骨盤矯正も、
同じように「骨盤を整える」と説明されることが多く、
両者の違いがほとんど語られていません。
しかし実際には、
- 対象としている骨盤の状態
- 見ている構造
- 回復のゴール
これらはまったく別物です。
結果に差が出るのは、
施術者の腕の問題ではなく、
「見ている前提構造」が違うからなのです。
出産後の骨盤で起きているのは「歪み」ではなく「開き」
産後の骨盤を説明する際、よく使われる言葉が「歪み」です。
しかし、出産による骨盤の変化は
歪みという言葉では説明できません。
出産時、骨盤は赤ちゃんが通るために
靱帯が緩み、関節が開く構造変化を起こします。
これは異常ではなく、
命を生み出すために備わった自然な変化です。
問題はその後です。
- 開いた関節が、正しい順序で戻れているか
- 支える構造が回復しているか
ここが置き去りにされたまま
「歪み」を整える施術だけを行っても、
骨盤は「戻ったように見えて戻っていない状態」になります。
仙腸関節と坐骨結節間──ここを閉めない限り、産前サイズには戻らない
骨盤は一枚の骨ではありません。
複数の関節と構造によって成り立っています。
特に産後の回復で重要なのが、
- 仙腸関節(骨盤の上部)
- 坐骨結節間(骨盤の底部)
この「上」と「下」の両方です。
多くの骨盤矯正では、
骨盤の上部ばかりが調整され、
骨盤の底部が見落とされています。
ここが開いたままでは、
体型は戻らず、
骨盤は安定しません。
上だけ整えても、下が閉じなければ意味がない。
これが、産前サイズに戻らない最大の理由です。
骨盤底筋のダメージは「鍛えれば治る」問題ではない
産後の尿もれ、体型崩れ、疲労感。
これらはすべて骨盤底筋群のダメージと深く関係しています。
骨盤底筋の問題は、
単なる筋力低下ではありません。
出産では、筋肉・筋膜・神経・支持構造が
複合的にダメージを受けます。
その状態に対して
「体操を続ければ戻る」と考えるのは、
現実的ではありません。
当院が考える「産後骨盤矯正」の定義
産後骨盤矯正とは、
出産によって開いた骨盤構造を、
正しい順序で閉じ直すためのケアである。
これは、歪みを整えることでも、
見た目だけを戻すことでもありません。
産後の身体が自然に回復できる状態へ戻すことが目的です。
