
2006年。妻の後ろ姿に、言葉を失いました。
婦人科での治療を経て、待望の第一子に恵まれた頃のことです(その後、双子にも恵まれ、今は三児の父です)。ある日、ふと妻の後ろ姿を見ると、体重だけではない。明らかに、お尻の形が違う。仕事で骨盤矯正をしているのだから、すぐ戻してあげよう——そう思って妻の産後の骨盤を矯正し始めて、愕然としました。学校で教わった、アメリカ式のスタンダードな骨盤矯正。出産で「歪んだ」骨盤は整えられる。でも、出産で「開いた」骨盤にはまるで無効でした。この経験が、私の探求心に火をつけました。
1年間・100名の産後の骨盤を比較・観察しました
仙腸関節の可動域、骨盤底筋の状態、恥骨結合の位置、内臓の下垂。1年をかけて100名の産後の骨盤を診て、骨格模型と解剖学を総動員して検討を重ねました。そうして2007年、産後専門の矯正法を体系化しました。
言葉は広まった。技術は広まらなかった
当時、「産後骨盤矯正」という言葉を使う院は、ほとんどありませんでした。私は、一般的な骨盤矯正と産後の骨盤矯正は別物だと考え、その違いをホームページで発信し始めました。結果として、今では多くの院がこの言葉を使うようになりました。それ自体は、良いことだと思います。ただ、言葉が広まっても、技術は広まりませんでした。「10回通ったのに、まだズボンがはけない」「尿もれが変わらない」と、諦めきれずに当院へ来られる方が、20年経った今も後を絶ちません。100名の比較と、その後20年の臨床で繰り返し見てきたのは、次の3つです。
この3つの観察をもとに、2007年から産後専門の矯正を行っています。「開き」「閉じる」は医学上の診断名ではなく、臨床で見られる状態に当院がつけている呼び名です。比較試験で検証されたものではありませんが、当院ではこの見方で、一人ひとりの身体の状態を確かめています。以来、数千人の産後の方を施術し、体型・尿もれ・痛みの変化を多くの方から報告いただいてきました。(変化には個人差があります)


